セオリーの理解と懲罰

 >N◎VAとかブレカナとかALSとかは、マスターの負担が大きいのよ・・・。

 いわゆる”わかってる”PLとならともかく、動き方が読めない&相談もしてくれないPLがいると、それをどうフォローするかがかなり厄介。 そいつ個人がダメージ受けるぶんには自業自得だと思うけど、他のPL巻き込んでドツボ。にはまっていく(しかも本人自覚症状ナシ)んで、マスター的にはほっとけない。

 >うごかねーPLに対するフォローなんざあどのシステムでも同じだと思うがなあ。 話振ったりイベント起こしたり、時にはぶっちゃけて話を聞いてみたりする以外なんかある? どれも負担ってほどでかいもんでもねーしなあ。

 >動かない場合じゃなくて、変な方に動く場合の話なんじゃないか?

 >“わかってる”PLとか言い出すやつって、自分の脳内問題を解けるヤツが“わかってる”解けないヤツは“わかってない”って言うよね。問題文も見せないで“これが解けるかな〜”って言ってるようなもんだ。

 >NOVAの場合、明確に「分かってる」「分かってない」で別れると思うが。乱数要素が、他のゲームが無限で個別なのに対して、NOVAは有限で共有である、というのを理解しているか否かは、重要だよ

 >慣れてないPL「んじゃ、夜に会社に忍び込んで書類とか漁ってみます。」

慣れてるPL「んじゃ〈社会:企業〉で判定」

 一緒に遊んで楽しいのは上のPLなんだよなー。

 >本当に慣れてるPLなら、両方合わせて言えると思うんだけどな。

 >上級者には、それがわからんのですよ。

 >ああ、TRPGそのものに慣れてるっていうよりも、昨今のFEARメソッドというか、SSSの手法に慣れている/慣れていない。って意味でヒトツ。

 >慣れてないPL「んじゃ、夜に会社に忍び込んで書類とか漁ってみます。」

 慣れてないRL「んじゃ、<社会:企業>で判定」

 慣れてるRL「んじゃ、<社会:企業>に<隠密>組み合わせて判定していいよ。え?<隠密>持ってない? じゃあ次は、会社のクグツに見つかって、夜の社屋を逃げ回るシーン行こうか」

 >そうやって正しいかもしれないがアクトを破壊するような裁定をするのが慣れてるRLなのかw

 >忍び込んで情報集めます、っていわれたから〈隠密〉組めっつってんだろ? 懲罰は問題だが、それもまあ演出で済ませるなら問題ない。

 >不慣れなPLに対して懲罰的なシーンを盛り込むのが慣れたRLねぇ。そういうのが慣れてるRLってのは全く思い浮かばなかったよ。

 >要するに、PL側からのアクションに対してきちんとリアクションをとってやるってのが慣れたRLだってことだろう。

 >セオリー以外のことやったら懲罰的な裁定が下されるってんなら、セオリー通りに情報収集だけやってた方がマシだな。こうやってN◎VAが変わっていったのかなぁという愚痴。

 >あんたはセオリー外して面白いつもりなのかは知らんが、 周囲が白けてるのには気がついてないのかね。昔のN◎VAが云々言うなら自分でRLやれ、老害。という愚痴。

 >・PLのアクションにはリアクションを返すのが慣れたRL

  ・リアクションといっても、懲罰的なことはあまりよくない。

  これ以外で、なにかいいたいことのある奴はいるのか?

 >クグツに追われるという演出だけで懲罰と思うものもいれば、ゲームデータ的に損害を受けないと懲罰だと思わないものもいる。それだけの話だ

 >演出にしたって時間もシーンも食うしな。情報の入手を望んだが、その代償として失敗時に発生した懲罰だと捉えてもおかしくはないだろ。

 >おかしくはない。だが、失敗までもくみ取ってきちんとアクトに反映してくれたのだと感謝してもおかしくはない。追われてるところを他のPCに助けてもらうとかすれば絡みも増えるし。

 >( 会社のクグツに見つかって夜の社屋を逃げ回るシーン)て、懲罰なのか?

 コミカルタッチな展開でメリハリ付けて、逃げる途中でファイルを拾ったり、要人を見かけたり、最後は重要な情報を手に入れて結果オーライになる。煮詰まってるPLを救済するシーンとか想像したわけだが。

 てか、懲罰だけでシーンなんてわざわざ用意するものなのか?

 >それは卓の雰囲気によるのかな。話の流れ的には、書いた方も読んだ方も懲罰としてるっぽい。

 >(てか、懲罰だけでシーンなんてわざわざ用意するものなのか?)

  ヤッターマンリプだな。

 >おしおきだべ〜

 えー、オチは兎も角(笑)、ですね。示唆に富む内容で面白かったです。

 「分かっているプレイヤー」とやらしか対応できないというなら、それはそれで、自らの力量を把握しているので、結構なことだと思います。しかし、昨今のFEARメソッドに慣れていないプレイヤーを扱うのは、マスターの負担が大きい、などという発言は聞いたことが無かったものですから、そのような体感を得る人がいる、という事実に驚きました。

 そりゃあ、その卓で使うシステムと似たようなルールや、運用に慣れているプレイヤーと、慣れていないプレイヤーとを比較した場合、慣れていないプレイヤーを扱う方が、マスターの負担は大きいと思いますけれど。ことさら、FEARゲーを挙げる必要は無いのでは、と考えてしまいます。

 どうなのでしょう。FEARゲーって、そんなに取っ付きにくいものなのでしょうか? 

 まあ、負担云々は兎も角として、プレイヤーがセオリーを知らなければ意思決定を楽しめないような運用を行うルーラーがいたなら、それは単純に下手なのだと思います。だけれど、上記の例は簡潔すぎて、どのような状況なのか掴めません。なので、深くは言及しません。

 ただ、プレイヤーがセオリーを知らなくても、意思決定を楽しむことはできるでしょう。

 目的を達成するために、障害を乗り越える必要があり、いくつかの手段から、メリット・デメリット、リスク、コストなどを考慮したうえで、ひとつを選択する過程で、葛藤を楽しむという、TRPGの根源的な楽しみ方は、誰にでも可能なはずです。

 メリット・デメリット、リスク、コストは、ゲームシステム上の資源の増減にとどまらず、自らの望む展開に近づけるか、参加者の納得する演出が行えるか、エレガントな回答であるか、などなど。処理できる範囲で、考慮に値する材料が増えるほど、基本的に楽しくなりますね。

 逆に、セオリーを知らないために、障害を乗り越えるためにとるべき手段が分からず、分かっていたとしても、メリット・デメリット、リスク、コストなど、考慮すべき事柄の幾つかが分からないという状態にあるなら、ルーラーが手を差し伸べてあげる必要があります。

 プレイヤーがセオリーを知らなくても、ルーラーが手を差し伸べ、教えてあげることで、意思決定を楽しんでもらうことは可能なはずです。

 一方で、考慮すべき材料を与えずに、行動宣言に対してろくな判定をさせず、ただ淡々とデメリットや、リスクやコストを適用していると、単なる嫌がらせ(懲罰?)と捉えられかねないことは、上記2chのやり取りが示していますね。十分に気をつけたいところです。

 それは懲罰ではなく、意思決定と判定の結果、生じた事柄であると、認識させられるだけの段取りを組めているか。また、その段取りは、TRPGを共に楽しむという目標に根ざしたものなのか・・・そこが重要でしょう。

 何を当たり前なことを、と思われるでしょうけれど、これが案外、出来ていない人が多いために、ネット上で同様のトラブルを散見するのだと考えています。

 何しろ私自身、たまに出来ていないわけで(えー)。

 兎も角、胸に手をあてれば分かることですけれど、セオリーを知らない人とだって、TRPGは楽しめますし、貴方も楽しんできたはずです。たしかに、システムごとに癖のある特殊なメソッドを理解するには、時間を要することがあるかも知れません。しかし、それは些細なことです。意思決定をはじめとした、TRPGに共通する根源的な楽しみの数々は、TRPGゲーマーなら、誰もが共有できるところでしょう。

 「TRPGしようか」

 「よし、やろう」

 と、このやり取りだけでゲームを始めて、初見のシステムであっても共に楽しめるのが、TRPGゲーマーなんじゃないでしょうか。

 ひょっとすると、一般的な認識とは、ズレていますでしょうか? 今は、分かっているプレイヤー同士で楽しむのが、スタンダードなのかな・・・。

 さて、どうでしょう。

 貴方はシステムのセオリーを理解していない人と、TRPGを楽しむことは出来ますか? また、貴方自身がセオリーを理解していないシステムで、セオリーを理解している人達と卓を囲むことは出来ますか?

 過度に、あるいは過敏にシステムの特色を保守することを要求する、もっと飛躍すれば"想定の範囲内での行動を期待する"ってのの裏側にはなにがあるのかといえば、「自分の技術への自信のなさ」になるんじゃないだろーかと。