ストーリーの作り方

 >ところで昨晩だったかな、TVで面白い事やってたな。

 「題」のパネルと「得られる教訓」のパネルを選んで、そこに明記された条件に従って5分くらいの昔話を作るというゲーム?だったみたいだけど、自分が見た時の題が「2メートルじいさん」で得られる教訓が「急がば回れ」だった。

 自分は即興でシナリオを作る事には自信があったんだけど、上の条件ではちょっと話が浮かばなかったなぁ。なんかちょっとGMの訓練に使えそうな遊びだなぁとか思った。

 >昔々あるところに大きな柿の木がありました。あんまり大きな柿の木なので、美味しそうな柿がなってるというのにもいで食べた者はおりません。けれど食べられないとなれば余計に食べたくなるのが人情というもの。ちびの利口者とちびの怠け者はどうにかして柿を食べてやろうと考えました。

 利口者「ようし、見てろ!高い梯子を作って柿をもいでやる!」

 怠け者「高い梯子は危ないよ。のんびり待ってればいつかきっと食べれるって」

 利口者「お前みたいにだらだら寝てたら、爺さんになっちまうよ!そこで待ってろ!」

 せっかちな利口者はあっという間に高い高い梯子を作ると、するすると登っていきました。

 利口者「どうだ!これくらいの高さへっちゃらだったろう!」

 得意になった利口者は有頂天になって怠け者を見下ろした途端、足を滑らせてしまいました。なにせ高い高い梯子だったので、頭から落ちた利口者は哀れにも死んでしまいました。

 怠け者「なんということだろう。だから梯子は危ないといったのに」

 怠け者は利口者が死んでしまったことを悲しんで、大きな柿の木の下で利口者を弔うことにしました。けれども、なにせ怠け者だったので1日祈って1月休み、2日祈って1年眠るという有様。利口者の供養が終わるころにはすっかりお爺さんになってしまいました。

 「ふあーあ、よく寝たなあ。ようやく弔いも終わったし、そろそろ柿をもぐとしようか」何十年も寝ているうちにすくすくと2mも育った怠け者は、そういうとひょいと柿をもぎました。 とっぴんぱらりのぷう。

 >良い感じなんだけど、それだと「果報は寝て待て」っぽいなぁ。「急がば回れ」だと無精者とか怠け者が得をするのはまずいかも。でも文章で読むのでなければ、こんな細かい突っ込みは入らないだろうなぁ。

 >「題」や「得られる教訓」はストーリーの種だね。制約というよりも題材、発想の核。なんらかの制約の元でストーリーを作る練習というより、ストーリーの種にどんなものがあるかを体得し、種を取り替えるとストーリーが変わることを体験する練習だと思う。

 それはそうと、ストーリーの制約は実はちゃんとある。それは教訓ではなくて「カタルシス」。すなわち、登場人物の誰かが不幸になり、そのことをPL全員がザマーミロと思える、という状況。PLがザマーミロと思えさえすれば、不幸になるのはPCだろうが劇中劇のキャラだろうが多分OK。

 上記のストーリーの場合、その利口者が、利口さによって周囲に不利益をもたらしていた(=悪だった)というエピソードを追加すれば完璧かと。