PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか

 >あるGMが「高度な戦術眼と戦略性が必要です。女性には無理です」という紹介をした。システムはガンドッグだが、紹介の内容+見下すような喋り方+迷彩服+バンダナで明らかに地雷。 しかしGMの数は参加者とちょうど一致していたため、希望者のいないその卓には我々スタッフが参加した。

 しかしそいつはとある女子目当てで、その女子が参加しなかったのが不満で、ずっと文句を言っていた。

 俺「女性には無理、って言ったからだと思いますよ」

 奴「そこで男のロマンが見てみたいとか言い出すのが、普通の女子だと思うんですが?」

 そんな女、お前の好きなギャルゲの中にしかいないよという突っ込みを飲み込んでプレイ。

 プレイはこのスレにありがちなお約束で、要人救出のシナリオなんだがGMの主張する俺リアリティが幅を利かせ、「捜索します」→判定もせずにGMに「何もない」と言われる→そこに触るとドッカン→俺ら「ハァ?」→GM「そういうところに爆弾が見えないように隠されてるのは常識」→俺ら無言。なんていうやりとりの繰り返し、最後のボスは戦車に乗って登場し、とんでもないデータと俺ルールでダイスで何を振っても倒せない、逃走も不可、そして2ターンでPC全滅。

 マスターシーンで謎の女スナイパーが登場し、一方的にボスを射殺し、エンディングへ。

 俺「どうすれば全滅しないで済んだんですか?」

 奴「逆に俺が質問です。どうして本部で増援を要求しなかったんでしょうか? 戦力は多めに用意するのが(ry ボスの元・愛人だったその女スナイパーが協力してくれて(ry」

 その女が参加したらPCの出番はない。吟遊って実在したんだなと思った。最後のほうは諦めてヘラヘラ笑いながらやっていたので、それほど困ったチャンでもないかもしれん。

 >・・・凄すぎてコメントしがたいな。乙でした。

 >「この依頼を(あなた達だけで)受けたのが失敗でしたね」

 >なにそのサバゲー大将? 中二病なのか厨房なのか知らないがすごすぎ。社会人とかじゃないよね?

 >ツッコミ所大杉。

 (高度な戦術眼と戦略性)

 PLに高度な能力を求める事を公言するのは、オレ常識による戦術眼等を振りかざす地雷の可能性大。

 (女性には無理です)

 女性蔑視の公言は厨の可能性大

 (見下すような喋り方)

 オレって(オレの脳内妄想で)sugeeeeee!という可能性大。

 (とある女子目当てで〜ずっと文句を言っていた。)

 女子目当てなのに女性排斥風の発言、女子目当てなのに女性蔑視発言、しかも延々と愚痴か。この3要素もそろってれば明かに困ったちゃん。

 (そこで男のロマンが見てみたいとか〜)

 女の子に妄想を抱き過ぎです。

 (そういうところに爆弾が〜は常識)

 案の定、オレ常識か。しかも判定すらやらせずってのは、GMとしてどうよ?(何も無くても判定だけはさせるマスタリングも多いのに)

 (ダイスで何を振っても〜全滅。)

 PCを何が何でも殺そうとするなんて、PLの不快感を理解できない、極めて悪質な吟遊詩人です。

 (どうして本部で〜)

 多いんだよな。PL知識でPCを行動させるのを禁止するくせに、逆にPLにはないPC知識は使わせない類の厨GMが。

 >(女子目当てなのに女性排斥風の発言)え〜っと。ツンデレってことでひとつ。

 >「このRPGはメルヘンチックな心と感受性が必要です。男子になんか出来っこないんだから」 とか言いながら意中の相手のほうを意識してるような感じか。>ツンデレ

 ツンデレに笑いましたw

 さて、上記の話題ですが、「増援を要請する」という行為を、選択肢として検討する機会を得ていたなら、PLも納得できたかも知れません。しかし、その選択肢をGMが示唆することなく、また、PLにも、そのような発想に至る知識や経験が無い状態で、致命的な状況に陥らせたのですから、不満が出るのは当然といえましょう。

 「爆弾が見えないように隠されてるのは常識」という件にしても、「爆弾が見えないように隠されている」という可能性を検討する機会を得ていたなら、PLは納得できたかも知れません。この場合も、その可能性をGMが示唆することなく、また、PLにも、そのような発想に至る知識や経験が無い状態で、トラップ(爆弾)が発動したため、理不尽に感じられたのでしょう。

 レスの中で「多いんだよな。PL知識でPCを行動させるのを禁止するくせに、逆にPLにはないPC知識は使わせない類の厨GMが」と述べている人がいますけれど、たしかに、もしも「増援を要請する」ことや「爆弾が見えないように隠されている」ことが、ゲーム世界内におけるPCにとって、常識的な事柄のひとつであるとGMが考えていたなら、そのことを事前に伝えるだけで、問題は回避できたはずです。つまり、PCの知識をPLに使わせることで、問題は回避できたケースです。

 「PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか」について、個人的には、PLの知識によって、それとなくPCを誘導することは可であり、PCの知識をPLの判断材料に加えることはアリ、としたいところです。が、もちろん、そこは卓ごとのコンセンサスが必要な部分でしょう。システムごと、セッションごとに変わってくる話です。

 件のGMは、あらかじめ「高度な戦術眼と戦略性が必要です」と述べていたわけですから、PLに知識やアイディアを求める、考えどころのあるシナリオを行いたかったのでしょう。しかし、どの程度までPL自身に考えさせ、どの程度PCにまかせるのか、という部分でバランスを欠いた印象を受けます。「PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか」について、コンセンサスが取れないまま、セッションを開始したことも、不満を持たれた要因のひとつではないでしょうか。まあ、他にツッコミどころがやたら多いので、それ以前の問題という気もしないでもないですけれど(^^;)

 ともあれ、最低限、ゲーム世界内のPCにとって「常識的な事柄」は、宣言なしでPLも知ることができるものとしたいですね。この文章を読まれている貴方のような、ある程度のTRPG経験を経ている方にとっては当たり前のことでしょうけれど、あえて極端な例をあげて理由を説明するなら、「目の前にいる男の手を見る」とプレイヤーが宣言しなければ、その男が手にむきみで刃物を持っていることにすら気づかない。あるいは、「依頼内容の詳細を聞く」と宣言しないかぎり、実は報酬の無いただ働きであったと気づかないなど。ゲーム世界内の住人が一般的に確認するであろう事柄、行うであろう行為、知覚、思考なども完璧にプレイヤーが指示しなければいけないのでは、ゲームになりませんからね。

 そのうち、「呼吸は一定のリズムで保ち、周囲に異常がないか警戒しつつ、正面に立っている道具屋のオヤジに不審な点がないか注意しながら、ブロードソードの値段を確認し、定価以下ならば購入する」などと宣言しなくてはならなくなります。極端すぎる例ですが、実際、これに近い宣言をしなければ回避できない罠にかかったことがあるので・・・(涙)。

 さて、貴方はPLとPCの知識を、どこまで相互に活用させることを認めますか?