不快なキャラクタープレイ

 >新しく参加したオンセサイトでセッションとは無関係のキャラチャットを楽しんでいたときのこと。

 後から参加してきたあるPCが酒に酔っているという設定でキャラプレイをしはじめる。このPCが他のPCにからみはじめ、なだめようとする他のPCを殴ったり蹴り飛ばすと宣言したり、挙げ句の果てに俺のPC(女)を床に押さえ付けて胸を触るとか言いだした。

 当然、不愉快だ。PCチャットでは話になりそうもないので、PLチャットで問題のPLに抗議してみることにした。するとそのPLは「だってそういうキャラだから」と言う。俺は何をふざけたことを抜かすかと思ったが、古参PL達の間でこのPCは受けがよいらしく、他の古参達も「PLの感情をPCに持ち込んじゃいけないよ」と言いだした。

 その場でそれ以上抗議しても意味がないし、荒れるだけなので、不勉強でしたと謝って引き下がった。引き下がった俺に、古参の一人が「PC間のやりとりは取り消せないから、今回の事は諦めてね」と言った。

 今思えば演出のみで進行している場なんだから、俺も「押さえ付けられる寸前にうまくその場を逃げた」と言って退場してしまえばよかったのかも知れないが、やはりどうにも納得がいかない。この件について、誰が困ったちゃんなのか意見を頼む。コミュニケーションの問題は難しい・・・。

 >「だってそういうキャラだから」というのを免罪符にするやつは、同じ目にあわせてやっても反省なんかしねぇしなぁ。

 >(>古参PL達のあいだでこのPCは受けがいいらしく) それが問題。認識がずれた空間に入り込んだために起こった不幸な事故。

 >まぁ事故かね。当然セクハラ行為は厳禁だが、なりチャなら同じように演出だけで切り返せばいいだけのような気はする。サイトの運営方針や雰囲気にもよるし、お前さんがどう苦情を伝えたのかは分からないが、言い方によっては真意が誤解されるだろうな。

 >セクハラでも戦闘中のアタックでも「〜しようとする」からアプローチするところでしょ。分かってない奴の「〜した」という発言は「〜する」に読み替えて、リアクション返すのが吉。「確定済み」とか言い出したらそっからは議論。

  ・キャラクターとしてもプレイヤーとしても不快だ。

  ・(発言は覆せない)→「「彼を殺した」と発言したら通るのか」

  ・(キャラクターの性能)→「ここは彼が好き放題するための場所ですか」

  ・(空気読め)→「私の不快感を先に読み取ってください」「宴会の席でのセクハラと同じ言い訳ですね」

 言うこと言って分かってもらえないようなら、そこはキミの住処ではない。

 >・(なに熱くなってるの?)→「そちらこそ、どうしても触ったことにしたいんですか?」も足しておけ。この辺から「じゃいいよ」的な空気が流れて話が打ち切られるから。

 >ネカマのチチを触るロールプレイのどこが楽しいのか分からない。

 >そこはまあ、女子高生でない女にセーラー服着せるような風俗もありますから。

 >事故というより、相手が無神経なだけだから当たり障りのない対応して、今後はスルーするのがいいよ。バカはそうやって、周囲の人間にスルーさても気づかないけど、反論したって反省しないから議論は無駄。

 >オンセだと場の雰囲気も読み辛いし、注意するにしても相当言葉を選ばないと(いや、選んでもか)、相手にはキツい言葉に捉えられかねんしな

 >オンセは顔が見えない分暴走しがちで、文字だけな分発言に注意しなきゃならない。ほんとオンセは地獄だぜ。フゥハハハハァァァーーーッ

 >それぞれのプレイヤーの許容範囲って様々だから、合う合わないも当然ある。けれど、できれば、そのあたりをうまく調整して楽しんで欲しいんだけどね。

 すり合わせが大切なのは、オンセもオフセも一緒、自分の行動が相手にどう思われているか、考える機会を持とうよ?(事故はそれで減るし、読んでも自分には関係ないと思う人はヤバイし、相手の反応で気付く人も多いと思うよ?)

 同時に告げないと気付かないのも事実、そして告げる事がぐだぐだのきっかけになることも・・・場を荒らさないで自分の意思を伝える難しさはいつも感じるねぇ・・・で、相手を怒らせないで意思表示するには相手を知ることだったり。相手を知るにはやっぱり相手と接することだろうしね。コミュニケーションはいろいろ深いと思うよ、やっぱり。

 キャラチャットのことは、よく分かりません。けれど、TRPGでは、セクハラはもちろんのこと、無断で他のPCの設定や状況に干渉し、事象を決定してしまうのは、良くないですね。

 大抵の場合、ルールの範囲外にあるキャラクターの設定(経歴・家族構成など)や、細かな状況(姿勢・動作・体調・感情・表情・発言など)についての編集権(適当に内容を決める権利)は、管理しているプレイヤーにあると、一般的に認められます。そしてまた、仮想世界内へのプレイヤーからの干渉は、提案から始まり、GMの確認をとった後、しかるべき処理(行為判定や、受動側プレイヤーの対抗判定の意思確認など)を行うことで、その成否が決定されます。

 当たり前のことですね。上記2chの例は、編集権がカチ合っているにも関わらず、一方が宣言だけで事象を決定した点が、いただけません。

 ただ、編集可能な領域に対する認識は、ひとそれぞれです。卓ごとのコンセンサスが、取れていないかぎり、程度の差こそあれ、編集権の衝突は起こりうるのです。何処から何処までが、自分にとって編集可能な領域なのか、また、他のプレイヤーやGMが、編集可能と認識している領域と、重複している個所は何処か・・・なんて、完璧に把握している人は、いないのではないでしょうか。

 例えば、流れの中でPLが唐突に登場させ、GMが認めたPCの息子(NPC)の編集権は、誰が持ちますか? 事前の確認が無ければ「PLにある」「GMにある」「GMにあるが、PLにも少しある」「PLにあるが、GMは断りなく編集可能」と意見が分かれても、不思議はありません。

 あるいは、自分のPCに関わる編集可能な領域は、何処までを主張できるでしょうか。「実は記憶喪失の犯罪者だった」「街行く美女に目を奪われ、護衛対象を人ごみの中へ見失ってしまった」「その時、君は叫び、恐怖した」「PLは嫌っていたけれど、実はNPCに恋をしていたことに、たった今、PCは気づいた」「君の放った○○はーーっ!!(PCの技と効果の描写)」「ペット(PCが所有しているアイテム)が、苦しみもがき、死んでしまうよ。どうやらこの洞窟には微弱な毒素が蔓延しているようだ、はやく脱出しないとね・・・あ、ペットがゾンビになって襲ってきたよ」などなど、GMによって急に編集された場合を想像してください。

 GMには、PCのコントロールを奪う権利があるし、仮想世界内の設定や状況を自由に編集してもかまわない、と思う人がいる一方で、自分が編集可能だと思っていた領域を、GMが勝手に編集した、と思う人が、いるかも知れません。

 また逆に、もし貴方がGMだった場合、NPCや仮想世界内の編集を、何処までPLに許しますか? FEARのリプレイでは顕著ですが、参加者全員が、脚本、演出、美術、効果、照明など、あらゆる面で編集に関わって、より楽しくしようと、アイディアを出し合い、プレイしていますよね。NPCやPCの乗っ取りから始まり、世界設定を弄り、果てはプレイヤーが、星を丸ごと編集してキャラクター化し、スキルの対象にしてしまう様は、見ていて痛快です。

 ですが、たとえ場が盛り上がって、GMの貴方が宣言のみで通しても、そういった編集を誰もが快く思っているとは限りません。さも当然のことのように編集した内容が、齟齬を生むケースは実に多いのです。

 まあ、この文章を読んでいるTRPG経験者の貴方なら、ルールに無い部分での編集権の衝突を、巧く調停する術は御持ちだと思います。GMとしてリーダーシップを発揮すべき時を、見極めることもできるでしょう。普段から、仮想世界内へのプレイヤーからの干渉は、GMへの確認(黙認)と、編集権を所持していそうな参加者との話し合いで、数秒のうちに処理しているはずです。

 ただ、こうした些細な処理の積み重ねによって、TRPGの遊戯が進行するなかで、実は、ルールに無い部分での編集権の衝突が連続して発生し、見えない不満を募らせる一因になっている・・・こともあるかもね〜程度の認識を、頭の片隅に入れておけば、不意に露見した時にも、対処し易いと考えます。

 実際には、何をやるにせよ、いちいち編集権の確認などしていられませんし、オンセなら、なおのこと無駄に時間をかけられないので、事後承諾になりがちですよね。

 で、トラブルに見まわれた際に、面倒なので、GMの編集権は絶対、ということで済ませようとしたら「横暴だ」「吟遊詩人だ」となるし、対話で解決しようとすれば「くちプロレス」と揶揄されるw 「対話と圧力」で押し通すには限界があります。時には折れることも必要でしょう。

 楽しもう、楽しませようという思いの、すれ違いから生まれる悲しいトラブルを聞くたびに、もどかしさを感じます。一緒にTRPGを楽しむ仲間同士、巧く折衷できるように、譲り合いの心で遊びたいものですね。