ウェブ進化論

 うーん、必要な情報にたどりつくための手段は、まだまだ発展途上ですが、TRPG関連の情報を集積したり、ふるいわけたりする行為は、TRPG関連の有志が立ち上がれば、すぐにでも、わりと便利なものを作り上げることができるんじゃないですかね。それこそオープンソースでするべきことなのかな。

 WEB2.0時代のTRPG環境を妄想することの多い私は、WEB1.0さえ活用できていない業界の現状を歯がゆく感じており、企業側も、ユーザー側も、もったいない使い方をしているなぁ、と常々考えております。まあ、それは私自身にも当てはまることなのですが。

 そんなこんなで、考えついた案について、簡単なモデルを実験的に作っていこうと思い立ち、現在企画を練っているところです。例えばの話ですが、mixiの、GMを副業化する案について検討するコミュニティで、TRPGのソーシャルネットワーキングを提案している人がいたけれど、あれを人材と資金を投入して実際に作ってしまうとか。別にビジネスモデルってわけではなく、個人的に投資できる額は限られています故、ただのTRPG好きが提供できる範囲のサービスを検討中です。

 ネットのTRPG環境を、自分自身の手で、もう少し使い勝手のよいものにしていこうと考えたときに、trpg.netって、やっぱり凄いなぁ、とか、あのとき私がtrpgnewsの管理人に立候補していたら、どうなっていたんだろうなぁ、なんて思ってみたりするのですが、そういった連想の中に、不思議と企業が絡んできません。trpg.netもtrpgnewsも、どちらも有志によって運営されていますが、ウェブ進化論が指摘しているように、ネットでは数名の開発者が短期に低資金で立ち上げたものが、企業が作り上げたものより劣ったり、競合したりするとは限らないし、無報酬の個人だからこそできることもあるんですよね。

 いま、TRPGゲーマーは、ネット上で様々な試みを行っています。ラジオだったりプレイヤーマップだったり、そんな、TRPGをもっと楽しんでいこうとする活動を見かけるにつけ、こんなに熱心で、心からTRPGを好いている人達がいるかぎり、WEB2.0時代のTRPGも、きっと楽しいものになるに違いないと、私は確信するのです。

ライトノベル「超」入門

 ライトノベルの定義とか歴史とかビジネス展開について書かれていましたが、序文にあった対象読者から外れている人間なので、ふーん、と再確認する程度でした。TRPGの事情と比較しながら軽く読み流していたところ、途中で、キャラや、キャラクターの類型化について、かなり分かり易く書いてあり、自分が類型化について説明する際にも、参考にしたい言い回しがあったので、その意味で購入して損は無かったと感じております。

 ユリイカの漫画批評最前線を読んだときに、記号を生成し認知させる技術について興味を持ったのですが、漫画が線から記号を作り出すように、TRPGは言葉で記号をつくるわけですけれど、その記号を記号として認知させる方法や、記号を作り出す技術、タイミングについては、ライトノベルを解説する書籍が参考になるのではないなーと考えつつ購入したものですから、ある意味正解だったかも知れません。

絶対可憐チルドレン4

 面白い。サイオニクスを使用したTRPGプレイの良い見本という印象です。ドラマの仕立て方を見るに、ダブルクロスでロイスを保持し続けるプレイが近い気もしますが、超能力と合成能力の体系がシンプルにして特殊なので、Aの魔法陣で素直にA-DICを作った方がすんなり遊べそうな世界だと思いました。

Aの魔法陣

 待ちに待ったバージョン3です。当然、購入しました。「これ、どうやって遊ぶの?」という声も多いようですが(^^;)

 とりあえず、数人でざっとまわし読みしたが・・・これはすごそうだ。ページを開くたびに用意されているつっこみどころもあり、遊んで楽しいのかはプレイしてみないとわからないが、とりあえず読んでいるぶんにはすごく面白い。

 どう遊ぶと面白くなるのかどうもイメージできませんでした(^ ^;。

 たしかに、このゲームは一見してゲテモノです(えー)。しかし、よく読むと、特に新しいモノではないことに気づくはずです。これは、何の変哲も無いただのTRPGです。ただのTRPGだからこそ、面白いし、凄い作品なのですが・・・

 無名世界観が分からないし、勧めてくる人も熱心すぎて怖いし、公式掲示板の会話が意味不明で入りづらい・・・と感じている方も、避けることはありません。私は無名世界観なんてこれっぽっちも知らないし、公式掲示板には書き込みどころか、読みに立ち寄ることすらめったにありません。ただ、一人のTRPG好きとして、Aの魔法陣のシステムに惚れました。

 勧め方があまりに熱心なため、怖いと言われたりするけれどw 初心者、TRPGのプレイに多くの時間を割けない人、TRPGが好きで好きで仕方が無い人などに、お勧めの一品ですよ。TRPGを長年経験している人ほど、このシンプルで奥深い構造の良さを理解してくださると思います(たぶん)。

 Aの魔法陣を知るひとつの手がかりとして、以下のリンクをたどれば、体験者の生の声が聞けます。参考にどうぞ。

 Aの魔法陣とは何か、という問いかけに私は「良く出来たTRPGのシステムだよ」と答える。今日はその話。

 面白い。とても面白いが人を選ぶことは間違いない。

 AマホはPCの不得意なことをやらせると面白いよな……という目論みがあったのだが

 口プロレスになりそうとのことだが,その辺の相性が悪そうなら,万能成功判定要素,ロールプレイボーナス及び罰則規定等を駆使してそのセッションは切り抜けて,次からは一緒にプレイしないというのがルール的に正しいように読める

 Aの魔方陣を初プレイしたので、友人とメッセで話をした。そのやり取りが、すごく分かりやすい説明になっていたので、友人の了解を取ってここに記載する。

 コマンド入力型アドベンチャーに近いと思います。

 よし、一度やってみて大体分かった。

 Aの魔法陣が分らない&初めて人のために、自分なりに説明してみたいと思います。

 この素晴らしい”キット”を使って、色々と試してみて欲しい

 以下は、Aの魔法陣を読んだ方々の感想。もちろん、良い部分だけではなくて、Aの魔法陣が苦手とする遊び方もありますし、そもそもAの魔法陣が得意とする遊び方は求めていないとか、むしろ、遊びづらいと感じる人もいます。そういった部分も含めて、とても参考になる意見です。

 ルールブックにも書いてありますとおり,従来のタイプのシナリオを遊ぼうという場合は既存のRPGシステムでやった方がずっと楽しく手軽に遊べると思います。

 「Aの魔法陣こそがTRPGの目指すべき理想の形なのか」という問いに対して、即座にイェスと答えることはできないだろう。この手の革新的なシステムの常で、好き嫌いもはっきり分かれるに違いない。

 読んだ感じ、PCとPLの関係が妙に不安定に感じるんですよね。

 友人が「世界を言葉で表現する」ってヴィトゲンシュタインなんだろうけれど、確かに面白い発想なのだろうが、正直SD(GM)次第に恣意的に判断されすぎる危険性がある。

 おお、でみさんが、また素晴らしく分かりやすい解説をしてくれています。

 色々な方の"Aの魔法陣像"を拝見して、大変面白かったので、私も少し解説に挑んでみます。

 ところで、Aの魔法陣が、どうもシックリこない方々と、私の遊び方というか、システムの捉え方が、異なっている気がしてきました。例えば・・・

 要は口プロレスをルール化したって"ことにしか見えない"のよ。

 Aの魔法陣におけるSDは敵ではないし、プレイを重ねた(外延接近戦を続けた)場合、くちプロレスを仕掛ける必要も無くなるはずです。むしろ、プレイを重ねた(外延接近戦を続けた)結果、たどりつく境地は、自分が納得いく成功要素の説明を自分自身に対してできるか?という部分が鍵になると考えています。

 例えるなら、しりとりと同じで、つまったら負けという感覚。この、つまるという感覚は、自分自身が一番分かっているので、自分自身を納得させる行為として、口先だけの、くちプロレスは通用しなくなる。自分をくちで言いくるめることはできないので、くちプロレスではなく、自主的な制限のもと、成功要素をピースとしたパズルを組んでいく感覚になります。SDは、自分の自主的な制限を緩めないように監視してもらう、客観の役割を担っているにすぎません。

 この辺りの「自分との戦い」の感覚を、くちプロレスと定義するなら、くちプロレスで正解なんですけど、どうもSD相手の言葉の格闘を想像して、くちプロレスと言っている人が多い気がするのですが・・・理屈をこね回してSDを納得させる意味でのくちプロレスは、ゲームが進めば必要なくなるということを、経験者は知っているはずです。

 まあ、うぃんぐさんの懸念はもっともで、コンベなんかで共通認識を作るのが難しいSDと遭遇した場合は、くちプロレスで撃破するしかなくなるんですけどねw

 それと・・・

 もう少しダイスの楽しみがあったほうが、すきだな。

 という感想にしても、結局はSDの運用次第で、Aの魔法陣のシステム自体には、ダイスの楽しさがあると思うんです。私はダイスをふるのが楽しいし、ダイスをふって成功させるか、ダイスをふらずに中間判定にするか考えることも楽しいです。MをどんなTに分割して、それぞれに対して、どのようにダイスを使ったり使わなかったりしつつ攻めていくか考えるのも楽しいです。

 まあ、そういう意味じゃなくて、根本的にこのシステムのダイスの有様に、ダイスの楽しみが足りていないという見解なのかもしれませんが。「えー?十分楽しめるのにー!」と思う人間から見ると、遊び方が私と違うのかな?と穿ってしまうのでございます。

 まだ遊んではいないのでルルブからの印象を中心に書きます。実際に遊んでみた感想と違うのは仕方がないと思っといてください。

 FEARゲーに似ているという意見が興味深いです。yatukazeさんは、よく面白いエントリを書くので注目しております。

 ただ、個人的に「目的が先に提示され、規定されたターン制限(一人一回の行動宣言を一周で1ターン)の中で一行動ごとに達成値を足していき、その合計が目標値を上回ればゲームクリアというもの」・・・という説明に激しく違和感あり。

 達成できた行為(ゲームを通しての目標Mをクリアするための当面の目標Tを達成する行為)の難易度を足していき、その合計がゲームを通しての目標Mの難易度を上回ればゲームクリア、という説明なら、まだ分割の意味を含んでいそうだけれど。

 あと、目的を手探りで探していくAの魔法陣もプレイ可能だし、ルールブックにも例示されています。yatukazeさんは、知っていて、あえて書いているのだろうけれど、知らない人が読んで誤解しないように補足しておきます。

 数字ではなく、文章でコンセンサスをとるということでは、そういうことかなと思ってみた。

 このシステムの主眼は、他にシステムが無いのに第四世代を自称してるとか、口プロレスだとかそんな下らん些末事じゃなくて、“シナリオ”と、“マスターによるセッション誘導”の排除にあるはずなのだが

 Aマホのいいところは「自分のキャラクターが出来ることを考えて、それに合わせて演出を各自で行っていく」ことだと思います。

 やはりこのTRPGはSDにおける比重が高く、SD次第で面白くもつまらなくもなる。コンベンションのような不確定な人たちの集いでは上手くいかないかもしれない。

 プレイヤーより許可を頂くことが叶いましたので、5月12日に発売された『Aの魔法陣第三版』の、レクチャー込みのソロリプレイを公開します。

 TRPGのルールブックとは思えねえ、凄い価格破壊だ!

 TRPGやる「前」に意識の統一などを図る目的で使用すると良いかと思われます。思っただけだけど。

 スタートとゴールを作り、プレイヤー自身の手によってその間を埋める。故に「起承転結」の転が存在しないのではないかと危惧されます。

 類似システムがないのはやっかいだね。

PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか

 >あるGMが「高度な戦術眼と戦略性が必要です。女性には無理です」という紹介をした。システムはガンドッグだが、紹介の内容+見下すような喋り方+迷彩服+バンダナで明らかに地雷。 しかしGMの数は参加者とちょうど一致していたため、希望者のいないその卓には我々スタッフが参加した。

 しかしそいつはとある女子目当てで、その女子が参加しなかったのが不満で、ずっと文句を言っていた。

 俺「女性には無理、って言ったからだと思いますよ」

 奴「そこで男のロマンが見てみたいとか言い出すのが、普通の女子だと思うんですが?」

 そんな女、お前の好きなギャルゲの中にしかいないよという突っ込みを飲み込んでプレイ。

 プレイはこのスレにありがちなお約束で、要人救出のシナリオなんだがGMの主張する俺リアリティが幅を利かせ、「捜索します」→判定もせずにGMに「何もない」と言われる→そこに触るとドッカン→俺ら「ハァ?」→GM「そういうところに爆弾が見えないように隠されてるのは常識」→俺ら無言。なんていうやりとりの繰り返し、最後のボスは戦車に乗って登場し、とんでもないデータと俺ルールでダイスで何を振っても倒せない、逃走も不可、そして2ターンでPC全滅。

 マスターシーンで謎の女スナイパーが登場し、一方的にボスを射殺し、エンディングへ。

 俺「どうすれば全滅しないで済んだんですか?」

 奴「逆に俺が質問です。どうして本部で増援を要求しなかったんでしょうか? 戦力は多めに用意するのが(ry ボスの元・愛人だったその女スナイパーが協力してくれて(ry」

 その女が参加したらPCの出番はない。吟遊って実在したんだなと思った。最後のほうは諦めてヘラヘラ笑いながらやっていたので、それほど困ったチャンでもないかもしれん。

 >・・・凄すぎてコメントしがたいな。乙でした。

 >「この依頼を(あなた達だけで)受けたのが失敗でしたね」

 >なにそのサバゲー大将? 中二病なのか厨房なのか知らないがすごすぎ。社会人とかじゃないよね?

 >ツッコミ所大杉。

 (高度な戦術眼と戦略性)

 PLに高度な能力を求める事を公言するのは、オレ常識による戦術眼等を振りかざす地雷の可能性大。

 (女性には無理です)

 女性蔑視の公言は厨の可能性大

 (見下すような喋り方)

 オレって(オレの脳内妄想で)sugeeeeee!という可能性大。

 (とある女子目当てで〜ずっと文句を言っていた。)

 女子目当てなのに女性排斥風の発言、女子目当てなのに女性蔑視発言、しかも延々と愚痴か。この3要素もそろってれば明かに困ったちゃん。

 (そこで男のロマンが見てみたいとか〜)

 女の子に妄想を抱き過ぎです。

 (そういうところに爆弾が〜は常識)

 案の定、オレ常識か。しかも判定すらやらせずってのは、GMとしてどうよ?(何も無くても判定だけはさせるマスタリングも多いのに)

 (ダイスで何を振っても〜全滅。)

 PCを何が何でも殺そうとするなんて、PLの不快感を理解できない、極めて悪質な吟遊詩人です。

 (どうして本部で〜)

 多いんだよな。PL知識でPCを行動させるのを禁止するくせに、逆にPLにはないPC知識は使わせない類の厨GMが。

 >(女子目当てなのに女性排斥風の発言)え〜っと。ツンデレってことでひとつ。

 >「このRPGはメルヘンチックな心と感受性が必要です。男子になんか出来っこないんだから」 とか言いながら意中の相手のほうを意識してるような感じか。>ツンデレ

 ツンデレに笑いましたw

 さて、上記の話題ですが、「増援を要請する」という行為を、選択肢として検討する機会を得ていたなら、PLも納得できたかも知れません。しかし、その選択肢をGMが示唆することなく、また、PLにも、そのような発想に至る知識や経験が無い状態で、致命的な状況に陥らせたのですから、不満が出るのは当然といえましょう。

 「爆弾が見えないように隠されてるのは常識」という件にしても、「爆弾が見えないように隠されている」という可能性を検討する機会を得ていたなら、PLは納得できたかも知れません。この場合も、その可能性をGMが示唆することなく、また、PLにも、そのような発想に至る知識や経験が無い状態で、トラップ(爆弾)が発動したため、理不尽に感じられたのでしょう。

 レスの中で「多いんだよな。PL知識でPCを行動させるのを禁止するくせに、逆にPLにはないPC知識は使わせない類の厨GMが」と述べている人がいますけれど、たしかに、もしも「増援を要請する」ことや「爆弾が見えないように隠されている」ことが、ゲーム世界内におけるPCにとって、常識的な事柄のひとつであるとGMが考えていたなら、そのことを事前に伝えるだけで、問題は回避できたはずです。つまり、PCの知識をPLに使わせることで、問題は回避できたケースです。

 「PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか」について、個人的には、PLの知識によって、それとなくPCを誘導することは可であり、PCの知識をPLの判断材料に加えることはアリ、としたいところです。が、もちろん、そこは卓ごとのコンセンサスが必要な部分でしょう。システムごと、セッションごとに変わってくる話です。

 件のGMは、あらかじめ「高度な戦術眼と戦略性が必要です」と述べていたわけですから、PLに知識やアイディアを求める、考えどころのあるシナリオを行いたかったのでしょう。しかし、どの程度までPL自身に考えさせ、どの程度PCにまかせるのか、という部分でバランスを欠いた印象を受けます。「PLとPCの知識をどこまで相互に活用させることを認めるか」について、コンセンサスが取れないまま、セッションを開始したことも、不満を持たれた要因のひとつではないでしょうか。まあ、他にツッコミどころがやたら多いので、それ以前の問題という気もしないでもないですけれど(^^;)

 ともあれ、最低限、ゲーム世界内のPCにとって「常識的な事柄」は、宣言なしでPLも知ることができるものとしたいですね。この文章を読まれている貴方のような、ある程度のTRPG経験を経ている方にとっては当たり前のことでしょうけれど、あえて極端な例をあげて理由を説明するなら、「目の前にいる男の手を見る」とプレイヤーが宣言しなければ、その男が手にむきみで刃物を持っていることにすら気づかない。あるいは、「依頼内容の詳細を聞く」と宣言しないかぎり、実は報酬の無いただ働きであったと気づかないなど。ゲーム世界内の住人が一般的に確認するであろう事柄、行うであろう行為、知覚、思考なども完璧にプレイヤーが指示しなければいけないのでは、ゲームになりませんからね。

 そのうち、「呼吸は一定のリズムで保ち、周囲に異常がないか警戒しつつ、正面に立っている道具屋のオヤジに不審な点がないか注意しながら、ブロードソードの値段を確認し、定価以下ならば購入する」などと宣言しなくてはならなくなります。極端すぎる例ですが、実際、これに近い宣言をしなければ回避できない罠にかかったことがあるので・・・(涙)。

 さて、貴方はPLとPCの知識を、どこまで相互に活用させることを認めますか?

エンギア卓でアイを叫んだK次郎

 「今日俺は戦いに来たんだ!ヘックス戦がやりてぇんだ、とっとと敵出せ敵!ヒマワリにしてやるから」

 エンギア卓でアイを叫んだK次郎・・・・・・

 おまえ、それはテロだろ。どんな卓でどんなマスターでどんなシナリオ傾向だか知っててはいって それはねぇだろう

 お前個人がほかのPLに”ヒマワリ”にされただけじゃねぇか・・・・・・

 「ぶっちゃけ公民館借り切ってエロゲ-みたいなフレーバー楽しんでどうするんだよ? 家なら人目を気にしないで思う存分ヌくことができるんだぞ?」

 K次郎・・・・・・・・・それは正論だ。真理だ。だけどな、正義じゃねぇんだよいまの時代ではなっ! 正義なんて、ぶっちゃけ数なんだって事くらい、わかってるじゃねぇか? いまのあそこのコンベンションなんて、そんな客しかコネェんだ。おれやお前のような探索者はもう要らないのさ

 「戦いは数だよアニキ」

 おまえの座右の銘だったじゃないか。いまの世の中エロゲ-チックなフレーバーさえあれば戦術も戦略もストーリーだって二の次なんだと考えるやつが大半なんだっ! な、フロントミッション5買ったんだろ?うちに帰って一人でやってろな・・・・・ お前がいなくなれば、俺たちもお前も、みんながハッピーなんだぜ・・・

 K次郎が痛々しい。シナリオ傾向を知っていて無茶を言う良くないPLだけれど、居場所を失ったのに、それでも叫び続ける不器用さが切ないです。一方で、アニキは嗜めるように言っているけれど、本当は自分自身に言い聞かせているわけですね。

 ただ、オールドプレイヤーの哀愁を漂わすために、「エロゲ-チックなフレーバーさえあれば戦術も戦略もストーリーだって二の次なんだと考えるやつが大半」と言い切るのはどうかと思うのですがw まあ、分かっていて書いている冗談にツッコムのも野暮ですがね。

 もちろん、エロゲ-チックなフレーバーで遊ぶTRPGグループがあってもいいし、そういう遊び方もありだろうと思いますよ。

セカイ系なプレイレポート

 >今から数年前の、とある行きつけのコンベでの出来事。

 俺(PC1)が探し続けていた「愛する人」がラスボスだった。とゆーシナリオ。

 俺はセッション中も分かりやすいくらい「世界<女」「仲間<女」を匂わせてプレイしてた。でも困ったちゃんにならなくても済むように、少しずつだけど仲間に対する意識の芽生え(?)みたいなのが出てきてますー。という逃げ道も用意してた。

 んで、ラストシーンで世界を脅かす存在=愛する人が判明。(女=悪って訳ではなく一応、女の方にも理屈の通った理由があった)愛する人からの「仲間になれ」つー勧誘があり、俺のPCと近い理想だったもんだから、コロッと裏切ってみた訳よ。

 主戦力が抜けたどころか、その戦力がまるまる敵側に加わったもんだから、当然、残りのPC達は劣勢。圧倒的に劣勢。

 いつまで経っても説得してこないから、PL発言で「戦力差があり過ぎるから、逃げるか、RPで乗り切るしかないよ。できれば俺のPCの目を覚まさせてくれ」と言った訳よ。

 したらば。「そんな風に簡単に世界を手にするより、俺たちと一緒に苦労して世界を手に入れないか?」 「古来より女にうつつを抜かした皇帝にロクな末路を迎えた者はおらん〜〜〜」とか、妙なベクトルから説得してきた。正直、今でも意味が分からん。

 GMは得意気に「葛藤するシナリオっていいよねぇ」とニヤニヤ。こいつ、このまま説得に失敗して、俺+ラスボスが他PCを殺したら、そのままバッドエンドで終わらせる気だ!と、全部俺のせいにして簡単に幕を閉じる気だ!と感じた俺は、超焦った。

 「出来ればお前達を殺したく無い。見逃してやるから逃げろ」とPCに言わせ、「こいつ(俺のPC)は、皆と出会って少しずつ変わってきてるんだよ。その辺を突いてくれれば、きっと目を覚ますよ」とハッキリPL発言。が・・・。「戦いたく無いのはこっちも一緒だ。お前こそ諦めろ。」と言う水掛け論に発展。

 結局。一緒に卓に入っていたリアルの友人が一騎打ちを申し出た。近接攻撃能力なしのキャラだったので、何かやる気だと思った俺は、友人を信じて攻撃宣言。

 友人は俺の攻撃を避けずにモロに喰らい、死の間際に 「どうだ?何か感じるか?お前はこれから多くの人を殺すんだ。俺なんてその内の一人でしかない筈だ。だから何も感じない筈なんだ。もし俺の死に耐えられぬようなら、お前は自分の理想をまっとうする事は出来ん」確か、こんな感じのセリフを言って果てた。

 グッジョブ! マイフレンド!!

 んで、最終的に。俺のPCが絶叫して、最終兵器が暴走。ラスボスは「こんな筈じゃ・・・」みたいな事を言って爆発に巻き込まれ、俺は友人PCの死体を抱きながら、愛する人に何か(忘れた)を言いながら、その場に残って(爆発の)光に包まれていった。

 他のPCは辛くも脱出。友人がおいしい所を全て持って行き、彼は喜びながら帰途についた。他のPLは、当然煮え切らない様子だった。GMはシナリオが(ある意味で)盛り上がったのは、自分のテクニックだと言わんばかりにニヤニヤしていた。

 これがバットエンドだとか、どうだとか、善悪の判断などもさて置き、これは1つの結果です。w 批評は任せる。長文失礼。

 あらかじめクライマックスやエンディングの流れを予測して、ある程度予定どおりの見せ場が用意されて、待っていましたとばかりに、ヒロイックな行動や台詞を披露するプレイも楽しいけれど、皆が希望する物語を手探りで折衷していく上記レポートのような楽しさも良いですね。ダイスの悪戯に一喜一憂しながら、参加者間で、あれこれと話し合うのが至福のときです。